2024年1月25日(木)~2月8日(木)中国河南省柔道技術指導
- 城柔会事務局
- 2024年2月18日
- 読了時間: 13分
柔道部の平野監督から、中国に技術指導へ行かれたときのレポートが届きました。





2024年中国河南省黄准海柔道強化合宿 報告書
監督 平野多俊
主将 竹中蓮騎
トレーニング長 鈴鹿睦月
1/25~2/8まで平野多俊(監督)、竹中蓮騎(主将)、鈴鹿(トレーニング長)の3名で中国河南省へ柔道合宿に行った。本合宿の目的は「柔道を行う現地の人々を指導し、柔道を通じて日中友好かつ国際交流を行うこと」であり、下記は出発から帰国までの日程とそこから学んだこと、習得できたことを詳細に記したものである。


1日目(1月25日)
中部国際空港から北京空港へ到着後、電車でホテル付近へ移動。電車下車後は王先生一行と中華料理店へ移動し、食事を行った。食事では豪勢な料理が並び、我々を歓迎し振舞ってくれた。ホテルも豪華で、我々を歓迎してくれていることが形としても伝わった。お酒は「白酒」というアルコール55%のお酒を全員でいただき、何度も乾杯を交わしながらひたすら飲んだ。王さんによるとお酒を越えて仲良くなろう、あるいは歓迎の意思を持っているときに行う中国の文化とのことであった。
→中国の雰囲気、食文化など様々な社会勉強をすることができた。本合宿の目的は柔道であるが、まずは現地の人々や習わしを知ることも大切なことであり、それを知る濃い一日となった。明日も移動日なのでしっかり準備していきたい。

2日目(1月26日)
朝7時半に起床し、ホテルの朝食を食べた。ここでも中華料理中心の料理が並び、朝から幸福感と満腹感でいっぱいとなった。その後は地下鉄に乗り、「北京西駅」へ移動後、新幹線に乗り、本合宿の開催地である河南省に向かった。約4時間の乗車の末、河南省商丘市に到着し、王さんの親戚の車で遅めの昼食を取りに行った。昼食は沸騰したスープに麺などの具材を入れて食べる「箸わたし」といったものらしく、とても美味しかった。その後はホテルに向かい、荷物を置いた後に大きなスーパーに行った。スーパーには日本では見たことがないような食材が数多く並び、価格帯も安いものが多くて驚いた。夕食は出店が並ぶ市場のような場所に行き、料理を堪能した。
→2日目でまだまだ未知の場所で不安もあるが、その分興味や新しい発見もあってすごく充実している。また、王先生御一行との絆や友情が日に日に増していて、大変ありがたい経験をさせてもらっている。明日から柔道の指導が始まるため、さらに大変な一日になるだろう。我々が持っている柔道の知識をできるだけ子供たちに伝え、本合宿の役目や目標を果たしていきたい。


3日目(1月27日)
朝7時に起床し、ホテルの朝食を監督、学生2人で食べた。食後はすぐに会場へ向かった。会場は小中高大の一貫校で、広大な敷地の中を進んでいくと柔道場があった。入口の前には13歳から15歳の中学生が集まっており、人数は5、60人ほど、男子7割女子3割程度の比率で体が大きい生徒が多かった。中に入ると開会式を行う準備がされており、王先生とその親戚の方々や、河南省の体育局の方、組織の偉い方たちが出席していて非常に緊張した。その後は我々が実際に行っている準備体操を行い、午前中は柔道の歴史と基礎的な礼法や受け身の指導をした。全体的に初心者の生徒も多くいるので、丁寧に視覚的にわかりやすい指導を意識した。生徒たちは、全員好奇心旺盛で真剣に話を聞いてくれるため、非常に教えがいあった。昼食を取りながら午前の反省と改善点を考え、午後の部の打ち合わせを行った。少しホテルで休憩した後、午後の部が始まった。午後は午前中で教えた礼法や受け身の復習を行った後、体さばきと打ち込みの指導を行った。打ち込みでは生徒の希望が多かった「背負い投」と「大外刈」を扱い、その際の入り方や足の運び、形を具体的に説明した。あとは打込の方法(スピード打込、3人打込)を実演し、技の強化の関しても指導した。

→中国に来て初の柔道指導ですごく緊張したが、生徒自身も柔道に対して貪欲で、我々の指導や指示に熱心に取り組んでいたため非常に有意義な時間となった。私自身も大勢の前で柔道の指導を行うのは初めてであり、慣れない中ではあるが、自分の教えたことが伝わった時や生徒ができるようになったときは達成感があって楽しいと感じた。また、言葉の壁があることや個々の性格の違いも「柔道」という一つの武道を通じて全員と分かり合えることができるということを肌で感じ、改めて「柔道」の素晴らしさを感じた。これらの感情は本合宿の重要な収穫の一つと言えるだろう。今日の反省点や改善点を生かし、明日も引き続き指導にあたっていきたい。
4日目(1月28日)
今日は朝7時に起き、朝食を食べた後、会場へ向かった。午前中は本学柔道部主将の竹中とトレーニング長の鈴鹿が手技(体落、背負投)の説明と指導を行った。それぞれの技を入るためのコツやポイントを説明し、全員の前で打込や投込を行った。午後は平野監督が一本背負投の説明を行い、3種類の技の入り方を実演した。
→指導2日目で、生徒から質問してきてくれることや、休憩時には積極的に喋りかけてくれるなど、少しずつ生徒との距離も縮まってきた。日本の子供たちよりもフレンドリーで積極的であると感じた。指導していて気づいたことは、生徒たちの中には軽量級は担ぎ系、重量級は大外刈や払腰などの大技、というように二極化しているため、特に体落は不慣れな様子であり、技の種類とその基礎を覚えることができればもっと強くなれると感じた。また、前襟を持つという生徒が非常に少なく、奥襟を持つ生徒が多いため、体落は至難の業だろう。ただ、生徒の大半が柔道に対しての関心や意欲が高く、我々の説明や指導を真摯に受け止めてくれるため伸びしろと教えがいがあると感じた。
5日目(1月29日)
今日も朝食を食べた後、会場へ向かった。本学で行われている準備体操を行った後、前回の手技の復習を行った。今日の指導内容は腰技(大腰、袖釣込腰、跳腰)の説明と指導で大腰を竹中、袖釣込腰を鈴鹿、跳腰を平野監督が指導した。3名ともそれぞれの入り方のポイント、実践での使い方や入り方をわかりやすく解説し、徹底的に基礎を教え込むといった指導法に重きを置いた。
→指導3日目で生徒たちも我々の指導に慣れてきた。握手を求め、名前を聞いてくる生徒や写真を求めてくる生徒も多く、休憩中は先生と生徒ではなく、可愛い弟妹のような感覚であった。柔道面でも、当初と比べると動きが見違えるほど変わり、生徒たちも理解が早い。特に接近戦での腰技は一本を取れる可能性が高いため、全体的に体格が大きい生徒が多い中での腰技は重要だと感じた。ただ、やはり釣り手は前襟をしっかりと持つ基本姿勢は大事にしてほしい。
6日目(1月30日)
午前中は王さん、鈴鹿、竹中の喉の調子が悪く中止となった。午後からは喉もある程度回復し、指導を行った。ただ、翌日が降雪の予報となったため、従来のスケジュールとは変更となり本生徒への指導が本日で最終日となった。そのため、午後からの指導内容も変更で、主将の竹中が大内刈と大外刈、平野監督が絞技を説明、指導した。絞技に関しては、日本の現ルールでは中学生の絞技は反則であるが、中国では一部の絞技は反則ではないため、腰絞や送襟絞などの基本的な絞技と鈴鹿が得意とする回転絞を応用として説明した。
→急遽予定変更で指導最終日となったが、我々が最も伝えたい基礎的な内容はある程度指導できた。最終日の今日は体格を生かした大技だけでなく、大内刈りなどの足技も相手を崩し、投げる際に有効的であることを説明し、指導した。この4日間で生徒たちの動きは見違えるほど良くなり、足の運びや技の形も格段に良くなった。私自身も幼少期に基礎を叩きこまれたが、やはり「基礎」は侮ってはいけない。何事も「基礎から応用」であり、それが今の私の柔道や私生活にも活きているのだと肌で感じた。また、一生懸命柔道に対して取り組み、私生活では我々を慕ってくれる生徒たちに愛着がわき、最終日を迎えて非常に寂しい気持ちになった。此度の柔道指導は私の人生において一生の財産となるだろう。

7日目(1月31日)
今日は午前中から商丘市の文化や歴史を学びに「商丘市博物館」に行った。その後は商丘市内で世界文化遺産に登録されている「古城」に行き、城内にあるお店で王先生のご親族の方々と昼食をとった。昼食後は古城の中にある歴史的な建物や偉人の人となりを見学し濃い1日を過ごした。明日も今日と同じように降雪の予報があるため、午前中はホテルで過ごすことが決まった。
→今日は柔道とは少し離れた1日となったが、1日目にも書いたように、現地の人々の生活や文化、歴史を学ぶことも本合宿において重要なことである。その点、実際に博物館に行くことや、世界遺産を実際に見ることはとても良い経験となった。個人的には、中国の博物館の展示品の多さや建物の規模が日本と異なりすぎて驚いた。私自身、日本の作品で春秋戦国時代を描いた「キングダム」が大好きなので、こういった中華の歴史に興味があり有意義な時間を過ごすことができた。
8日目(2月1日)
今日は積雪の影響で午前中はホテルで待機した。午後は昼食をとった後、平野監督の要望でカラオケに行くこととなった。中国に来て初めての遊びで我々も非常に気分が上がっていた。竹中と鈴鹿は日本でも馴染みのある曲を歌うなか、平野監督は中国の曲を歌い、王先生たちとも一緒に歌っていた。
→中国のカラオケは日本と違って部屋が大きく、設備も整っている。中国の歌だけでなく日本の歌も数多く揃っていて、非常に驚いた。王さんは日本に住んでいたということもあり、日本の曲も非常に上手で、こうしたカラオケという空間でも王先生御一行と楽しい時間を過ごすことができた。明日は移動日で環境も変わるので、しっかり準備して臨みたい。

9日目(2月2日)
今日からは、約1週間過ごした商丘市から離れ、鄭州市に向けて出発した。鄭州市には河南省の柔道の学生チームがあり、商丘駅から新幹線で向かった。新幹線と車を使って2時間ほどで学校に到着し、少し部屋で休憩してから夜練習に参加した。夜練習では我々の大学のメニュー(準備体操、打込、スピード打込)を行った。
→私たちが訪れた場所は河南省からトップアスリートを育成する施設で、幅広い年代の学生たちが所属していた。以前の生徒や学生と比べて柔道経験が豊富で、所属人数もかなり多かった。ただ、相手方のコーチや学生もあたたかく迎え入れてくれて、以前の生徒たち同様、柔道に積極的にかつ貪欲であると感じた。明日は実践的な練習かつ二部練習なのでしっかりと準備したい。
10日目(2月3日)
今日から本格的に実践練習が始まった。その中でも今日は寝技の日で、1時間ほど寝技の基礎練習を行った後、寝技の乱取5分15本というかなりのハードメニューを行った。ウイグル自治区のチームや他の省のチームも参加していて男女で100名近くの学生がいた。本学柔道部の竹中と鈴鹿も練習に参加し、学生たちと寝技を行った。午後からは立ち技の講習と指導(内股、大外刈)を行い学生たちに指導した。
→久しぶりの柔道で寝技の乱取5分15本はかなりのハードメニューで竹中、鈴鹿ともに疲れた。学生たちのレベルも高く、次々とあたりに来るので途中で何度か休憩しながら行った。また、基礎練習やパターン練習を約1時間行っているメニューには非常に驚いた。言葉や文化は違っても柔道に対しての熱意や闘志をむき出しにする姿は普段の練習と変わらず、非常に感動した。私自身もこの施設の学生たちから刺激を受けた1日となった。
10日目(2月4日)
今日は午前中に昨日の立ち技の復習を行った後、背負投、一本背負、袖釣込腰、大内刈の技術指導を行った。ここの学生であってもやはり入り方がぎこちない者や、形が少し崩れている者もいたので、基礎的な入り方から実践的な入り方までの指導をわかりやすく説明し指導した。午後からはこの施設の重鎮の方々と食事をした後、少林寺拳法の総本山に行ってきた。総本山までは1時間ほどで、山奥ということもあって雪もかなり積もっていた。帰りにはハプニングもあったものの、無事に帰宅した。
→午前中の指導は学生たちも積極的に質問をしてくれるので毎回有意義な時間となっている。これからも我々にできる指導は全力でしていきたいと思った。その後車で訪れた由緒正しき総本山は、世界文化遺産ということもあって観光客も多く、かなりの歴史を感じた。私自身、この短期間で世界遺産に何度も訪れた経験がなく、非常にいい経験ができている。少林寺拳法は柔道とはまた異なったものであるが、同じ武術として非常に親近感が湧いた。明日は三部練習なので、しっかり休んで準備していきたい。
11日目(2月5日)
今日は午前7時に起きて朝食を食べた後、9時から午前中の練習が行われた。午前中は立技乱取5分15本で竹中と鈴鹿も参加した。その後は昼食を食べて少し休憩し、午後15時から寝技の技術指導を行った。その後夕食を食べ、夜練習はウエイトの指導と我々も少しトレーニングを行った。
→学生たちはみな貪欲で、久しぶりの立ち技ということもあり、かなり疲れた。その中でも、中国3位の実績を持つ選手と乱取を行ったが、非常に強かった。そういった選手も存在するのでこれからレベルも上がっていくと感じた。また、柔道スタイルも日本のスタイルと違って接近戦であるヨーロッパスタイルであることや、乱取前には必ず握手をすることなど、柔道にも独自の文化や風潮があって関心が深まった。
12日目(2月6日)
今日も午前7時に起床し、朝食を食べた。今日の午前中は寝技の乱取5分12本を行った後、少し立ち技乱取を行った。竹中は昨日の練習で肩を負傷したため、午前中は鈴鹿が参加した。激しい練習を行い、昼食後は少し休憩し、午後は立技の技術指導(巴投、帯取返内股すかしなど)を行った。その後は学生たちやコーチ、王先生たちと写真を撮った。本日をもって柔道指導に関しての全日程は終了した。明日からは北京に移動し、1泊した後に日本に帰る。
→上記の通り、本日をもって柔道の技術指導は終了した。ここまで様々な生徒や学生たちと関わり、毎日全員のことを考えていたため、すごく愛着も湧いて離れるのが少し寂しく感じた。我々が生徒や学生に色んなことを教えたように、我々も生徒や学生たちにたくさんのことを教えてもらい、非常にいい経験ができたと思う。河南省の生徒や学生は本当に良い子たちばかりで、柔道の質問をたくさんしてきてくれることや、休憩中に積極的に話しかけてくれたことは非常に嬉しかった。みんなと柔道をしていたい気持ちはおそらく日本にいても残り続けるだろう。また、機会があればぜひ中国へ行きたい。
13日目(2月7日)
朝6時半に起床し、朝食を取った後、鄭州駅に向かった。鄭州駅で王さんと離れ、王先生と北京へ向かった。北京に到着後、タクシーで宿泊施設に向かった。宿泊場所に荷物を置き、軽食を食べると、王先生が車で天安門へ連れて行ってくれた。その後は少し部屋で休憩し、その施設で王先生の兄とその友人たちと夕食を取った。夕食時には1日目に飲んだ「白酒」を飲み、平野監督、竹中、鈴鹿の三名ともかなり飲まされた。鈴鹿と平野監督は潰れており、夕食を終えて部屋に戻り就寝準備をしていると平野監督が私の部屋を訪れ、今にも倒れそうであったため王さんに電話した。監督が病院に連れて行ってほしいと言っていたので、王先生を呼んで私含め3人で病院に向かった。2時間点滴を打ち、症状は治まり、そのまま帰宅した。
→中国最終日まで我々を歓迎してくれて、非常に嬉しかった。夕食後はかなりの出来事が重なったが、これも一つ思い出として笑い話になるだろう。明日は空港に向かい、帰国するのでしっかり準備をしていきたい。


14日目(2月8日)
いよいよ帰国日である。昨日病院へ連れていき、帰るのが夜中になったため、竹中は一睡もせず王先生の車で空港へ向かった。王先生ともはやめの別れとなり、8時55分発名古屋行の便に乗り、無事3名とも帰国することができた。
→様々な出来事があったが、大きなケガや事故もなく無事に日本に帰国することができたことが一番良かったと思う。この2週間、普段生活していたら経験できないことが数多くあって非常にいい経験ができた。これからもこういった国際交流を大切にし、柔道を通じていろんなことを学んでいきたいと思った。次回があれば部員には積極的に参加してほしいと思う。